第10回大人サミットBOOK 1日目

第10回大人サミット・1日目

2016.7.16

《大人サミット発起人・いさどんによる開会の挨拶》

《大人サミットの歴史》

《大人(ヲトナ)」とは?》

《ヴォルテックスの映像》

《地球談話》

《わたしたちは何者であるのか》

《21世紀を生きる人類の目覚め》



《大人サミット発起人・いさどんによる開会の挨拶》

2016-08-07 8.39.46

 

僕は今、物理的にはここにいる16名の人たちに語っていますが、
霊的には地球上、もしくは宇宙全体を意識して語っています。
それは、ようやくこの価値が広がる時代が訪れたからです。

 

今、わたしたちは21世紀を生きています。僕は20世紀のちょうど真ん中の1951年に生まれました。子どもの頃は鉄腕アトムという漫画を興味深く観ながら、これから訪れる21世紀の世界をイメージしていました。そして、僕は50歳で21世紀を迎えました。子どもの頃、僕が21世紀に生きることをイメージしていたときには、平和で豊かなとても進んだ社会をイメージしていました。ところが今、21世紀に入って16年が経ちましたが、人々の心の絆はとても貧しく、世界各地でテロが頻発し、環境的に厳しい世の中が現実です。

僕は今65歳ですが、30歳のときに天からメッセージを受けるようになりました。それ以降、社会を少し違う視点で観るようになりました。その結果、今の世の中に報道されているような現状に対する危機とは、少し違う視点を持っています。同時に、今の社会を分析するための様々な手法を得てきました。

本来、個人に起きていること、地域社会に起きていること、国家に起きていること、人類に起きていること、地球に起きていること、太陽系に起きていること、そして宇宙に起きていることはすべて連動しています。今、そういったものがすべて連動しながら時代が創られていることが観えてきました。それを「宇宙視点」と呼ぶのですが、わたしたちは今、すでに宇宙にいます。皆さんの個人的な悩みも、宇宙の中の出来事です。同時に、秒速240kmで回転する天の川銀河を太陽系がまわっているのも宇宙の出来事なのです。

21世紀という時代は単に20世紀の続きなのではなく、2000年から3000年に向けての幕開けだと僕は観ています。ですから今、わたしたちはこの1000年間の扉を開けたところなのです。今、世の中にたくさんの混乱が起きていることに対し、わたしたちがそのことに疑問を感じれば感じるほど、それは新たな時代を迎えるための原動力となります。同じように、皆さん一人ひとりが人生で行き詰まっていたとしても、それは皆さんの人生を切り替え、新たな自分に生まれ変わるためのチャンスなのです。

この世界に起きる出来事には、自分にとって都合の良いことも悪いこともあります。そこで、それをどの位置で観るか。どのような方向から、どのように捉えるのか。それによって、この世界に起きる出来事を希望として観ることもできれば、極めて不幸な出来事として解釈することにもなるのです。

今回、第10回大人サミットを開催するにあたり、皆さんにお伝えしたいことは、皆さん一人ひとりの人生は、その解釈の仕方によってまったく違ったものに観えてくるということです。ですから今、世界が混沌としていることがいかに希望あることなのか――。この3日間、そのような視点を皆さんと共有しながら、皆さんの人生に突破口が開かれることを願って、この混沌とした時代の未来に希望があることを共に見出していきたいと思っています。

《大人サミットの歴史》

世界中で様々な問題が起きている今、来たるべき時代の新たな生き方を模索するために、さかのぼれば、2010年9月、木の花ファミリーを会場として第1回大人サミットが開催されました。当初は大学の先生・企業の経営者・お医者さん・政治家・弁護士さん・宗教家の方も参加されていました。わたしたちが大人サミットを呼びかけ始めた当時は、主に今の時代に成功者と言われる人たちに呼びかけました。それはなぜかというと、この人たちが今の社会を創り、リードし、その恩恵を受けて豊かに生きている人たちだからです。しかし本来、その豊かさは皆のものです。ですから、豊かな人ほど、社会のために生きるべきだと思いました。そして、豊かになった分を社会に還元し、いずれ死を迎えた時に、胸を張って旅立っていけるような生き方を提案したかったのです。ですから、そういった呼びかけのもとに今の社会で成功した様々な人たちが集ってきました。しかし、そのような人たちのベースにあるものは、「自分がもっと豊かになりたい」「自分の立場から見える主張を正当化したい」という想いでした。そうすると、その人たちには自らの主張や豊かさを手放し、この世界の法則の側に立ち、皆に豊かさを還元するという社会変革的な動きはなかなか浸透しないことがわかってきたのです。

その後、大人たちが真剣に社会について語り合う姿に感銘を受けた大学の学生たちが、2012年5月に若者を中心とした「ユース・ビジョン・サミット」を発足しました。同年11月の第5回大人サミットでは、世代の枠を取り払って、ユース・ビジョン・サミットと大人サミットを統合しました。そして、第7回大人サミットから、徐々に木の花ファミリーメンバー以外の心を大切にする生き方に共鳴した有志の主導で行われるようになっていき、参加者も高校生から70代までと幅広くさらに多様性が増していきました。第9回大人サミットではアメリカ・インドネシア・タイ・バヌアツからも参加者が集い、国際的なサミットとなりました。そして、今回の第10回目に至るまでには様々な人たちとの出会いを通して、今日という日を迎えています。

《大人(ヲトナ)」とは?》

この会議は「大人サミット」と呼ばれますが、大人という文字は日本語では成人を意味し、大きな人と書きます。それは子どもと区別される言葉です。しかし、ここでの大人はそのように年齢によって区別される意味ではありません。本来、大人とは年齢に関係なく、世の中に対してより良い貢献をしていく意識を持った人の姿であるのです。

大人には「オトナ」と「ヲトナ」の二種類の読み方があり、それは今から約13000年前の東アジアで宇宙物理学を高度に発達させたカタカムナ文明の叡智から来ています。まず、「オトナ」の「オ」は拡大し発展させていくことであり、それは大きなスケールで物事を探求すると同時に、小さく縮小し物事を探求することでもあります。ですから、「オ」はマクロにもミクロにも探求し、物事を広め進めていくことです。特に250年前のイギリス産業革命以降、わたしたち人類はこうした発展の時代を生きてきました。そして、宇宙的に陰陽で分けると、「オ」は陽を表します。つまり、物質的に豊かで便利な世の中が広がり、物理・科学・テクノロジーが発展してきた時代ということです。

それに対して、「ヲトナ」の「ヲ」は宇宙的には陰を指し、発展・拡大したものを削ぎ落とし、必要なものと不必要なものを仕分け、安定させることです。これまで人間には強い欲望があり、自らの願いを叶え、何でもほしいものを抱えようとしてきましたが、これからの社会を創っていく「ヲトナ」とは、それを本当に必要なものと不要なものに仕分けしていく力を身につけ、社会に健全な世界をもたらす意識を持つもののことです。

今までの時代は「オトナ」の発展の時代でしたから、そこでは不必要なものまで求め、争い、今、時代はそのピークを迎えています。ですから、地球上にはたくさんのゴミが産み出され、環境が悪化し、我先の心で人々は競争し、その結果病気や貧困が蔓延して、混乱が進み、現状に至っているのです。それは、人間の能力の可能性を知るという意味では、必要な時代でもありました。そうした経験を経て学び、地球生命の中で最も高い能力を持っているわたしたち人類は、他者との連携を取りながら調和的に生きることも可能なのです。

今、わたしたち人類は地球生命として、地球と対話しなければいけない時代が訪れています。なぜなら、地球のキャパが人類の欲望の表現に対して限界に達しているからです。ですから、わたしたちが「オトナ」から「ヲトナ」になる時代が来ているのです。そのためには、広い世界観を持つことが必要です。そして、地球という生命ネットワークの中で自らの意志と地球のあり方、そして宇宙のあり方が一致していることが大切なのです。それは、意識の高い人間になるということです。そして、それは誰か一人のリーダーによって導かれるものではありません。新たな時代を迎えるために、わたしたち一人ひとりがその意識に目覚め、地球と対話しながら「ヲトナ」としての意志を持ち、全ての生命と調和し生きていく時代が訪れたということなのです。

《ヴォルテックスの映像》

ここで、ヴォルテックスの映像を観ながら、一緒に宇宙旅行に出かけましょう。

s6
出典:http://www.djsadhu.com/

真ん中にある黄金の玉が太陽です。太陽が移動していますから、太陽系の惑星は円軌道ではなく、螺旋軌道を描いています。ところが、今の地球上の人類には、止まっている太陽のまわりを惑星が単純な円運動を描いているという意識しかありません。この映像はその二つの運動の違いに気付かせてくれます。これはとても重要なことです。

太陽が惑星を引き連れているのか、それとも惑星が太陽をいざなっているのか。時々、惑星が太陽の前に出ることもあります。ということは、惑星が太陽を導いているとも言えます。いずれにしても、太陽系の星々は、互いに対話しながら宇宙を旅しています。

そして、わたしたちの太陽は宇宙を彗星のように動いているのではありません。銀河のまわりを螺旋を描きながらまわっているのです。ですから、宇宙空間を太陽は真っ直ぐ移動しているのではないのです。

出典: http://www.djsadhu.com/
出典: http://www.djsadhu.com/

銀河の中心はセントラルサンと呼ばれ、古い太陽の集まりです。銀河は円盤のようになっており、その赤道面にわたしたちの太陽も周回しています。太陽は天の川銀河を2億2600万年かけて1周し、その間に約9000回の螺旋を描きます。その1螺旋は26000年です。ですから、宇宙のサイクルからしたら、わたしたちが人生で意識する何十年というのはほんの一瞬のことなのです。

今、皆さんに銀河を旅する太陽の映像を観てもらいました。そして、わたしたちは今、地球上にいて、地動説を知っています。ところが、昔の人々は天動説を信じていたのです。そして、これから人類は、今の常識になっている地動説がさらに複雑な世界であることを知る時代に入ったのです。

先程の映像の中で太陽の一螺旋は26000年とありましたが、カタカムナの宇宙物理学では25800年とされています。25800年前、あなたは何をしていましたか?それはわたしたち現代人からすると、遥か彼方のことですね。しかし、太陽にとってはたった一螺旋のことなのです。その間に、地球は太陽の一螺旋と共に25800回自転しています。それだけではなく、地球は自転しながら、太陽のまわりを公転し、歳差運動もしています。

hokkyoku
出典:http://www.hoshitabi.com/analemma/05/index.html

地球の地軸(自転軸)は、地球の公転面に対して垂直に立っているのではなく、約23.4度斜めに傾いています。ちょうど地軸の北側が指している方向に現在の北極星があるので、地球が自転しても、北極星だけはほとんど動かないように見えています。しかし、地軸が指している方向は、ずっと同じではありません。地軸は、公転面に垂直な方向に対して半径約23.4度の円を描くように移動し、25800年の周期で一回りしています。これを歳差運動と言います。面白いことに、この歳差運動の周期である25800年は、太陽の一螺旋と同じ25800年なのです

さらに面白いことは、北極星はいつも同じところにあるはずですよね。ということは、地球が向いている先にある北極星は地球の歳差運動に付き合っているのでしょうか。実際はそうではありません。実は25800年の間に北極星は4つ現れるのです。つまり、北極星は絶対のものだと思われていますが、その絶対のものが変わっていくのです。ですから、それは今わたしたちが地球上で絶対と思っていることも、変わるということを示しているのです。

太陽の一螺旋である25800年を4分割すると6450年です。わたしたちの現在の文明の元になっているメソポタミア文明は、今から6450年前に発祥しました。また宗教は、さらにその半分である約3000年の歴史しかないのです。

止まっている太陽のまわりを地球が円運動をしているのではなく、実際は太陽も動いているのです。それどころか、太陽は螺旋運動を描きながら、それに地球がついていっているのです。そして、地球は振動しながら、公転・自転し、歳差運動を描いています。さらに、その地球に月がついてまわっているのです。このようにわたしたちの住む地球は複雑な運動をしながら、毎年、一年を通して春夏秋冬を表現しています。

わたしたちがこれは真実だと思っていることが、いかに違うのか――、時代が進めば進むほどそのことがわかってきます。そこで、わたしたちが得る情報は、常に過程だということを認識しないといけません。そうでなければ、宇宙のように常に変化し進化し続ける世界に思考がついていけないのです。

今までは、とても魅力的な物理的進化の時代が人類に訪れていました。しかし、それはほんの一瞬の宇宙のプロセスにしかすぎません。これからは、新たな価値観へ扉が開かれ、そこへわたしたちは向かおうとしています。そのためには、固定概念を捨てなければいけません。同時に、自我を超えないといけません。

地球は自転をすることによって、一日を刻みます。わたしたちはその動きを感じることができます。今日の早朝は暗かったですね。今は少し薄暗くなって夕方になりました。そして、もうじき夜を迎えます。これは地球が秒速463mのスピードで自転しているからです。とてもわかりやすいですね。今日は7月16日です。去年から一年が経ちました。これは地球が太陽を一公転したからです。とてもわかりやすいですね。そして、太陽は移動している銀河系のまわりを公転しているのですから、その軌跡も螺旋運動になるのです。

今、銀河を中心にした太陽の螺旋運動の話をしましたが、実はわたしたちの天の川銀河も銀河群の中を公転しているのです。同時に銀河は自転しています。その自転速度は秒速240kmです。

ここで、地球と金星の関係を紹介します。この図は太陽系を進行方向から見た図です。ここに地球の軌道があります。地球の軌道に内接する正方形を描き、さらにその正方形に内接する円を描くと、それが金星の軌道になります。そして、太陽の片側で金星と地球が同一線上に並ぶ「結び」の関係が1.6年毎にやってきます。最終的に8年をかけて五芒星を描き、元の位置に戻るのです。このように金星と地球は宇宙空間に美しい図形を描くのですが、これは地球上に生きていたらまったく想像できない世界です。しかも、この五芒星の内側の5つのポイントを円でつなぐと、水星の軌道になります。

これは星同士が互いの位置を確認するように対話していないと不可能なことです。ですから、太陽系の星々は、宇宙を旅しているコミュニティと言えるのです。そして、これはわたしたちがすべての生命と共に地球というコミュニティを表現していることと同じことなのです。

kinsei2
出典:http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/news/text/e060519.html 加筆:嵯峨美雅子

もうひとつ、ここで木星と土星の関係について説明します。太陽系の中で水星・金星・地球・火星までは個人の内面を表現する星であり、木星と土星は社会性やコミュニティを表現する星と言われています。そして、火星と木星の間にはかなりの距離があり、そこは小惑星帯と呼ばれ、惑星に属することができなかった無数の星のくず(カルマ)が存在します。ですから、皆さんが個人の枠を超え社会で生きるという意味では、木星と土星は大きな意味を持っています。

スクリーンショット 2016-07-28 11.19.56
出典:http://metalogue.jugem.jp/?eid=1930

木星と土星は60年かけて六芒星を描きます。ここに木星と土星の軌道が描かれていますが、太陽の片側に惑星同士が同一線上に並ぶ「結び」の関係から、10年後には惑星同士が太陽を挟んで同一線上に向き合う「開き」の関係になります。そこから10年後、再び「結び」の関係となり、「開き」の関係となることを繰り返し、60年後には元の位置に戻ります。ただ、その位置は微妙にずれていくのです。

それは金星と地球の関係も同じです。8年周期に少しずつ位置がずれていき、同じところへ戻ることはありません。

地球の一年は365日です。しかし、実際は360度を365日で移動していくのですから、実は地球も同じ起点に戻るのではなく、少しずつ位置がずれていくのです。

このように宇宙を生きるということは、二度と同じところへ戻らないということです。人間は自らの概念を持つと、それに囚われ、変えようとしません。その状態にいることは、宇宙の法則からは外れています。ですから、囚われた状態で人間が地球上に生きるとき、問題が起きるのです。そこで、宇宙の法のように、星々のように、いつでも柔軟に新たなことをいただき、今を生きることが大切なのです。

2000年を越えるということは、3000年までの次のサイクルが始まったということです。ということは、2000年までのサイクルが終焉を迎えたということでもあるのです。ところが、人類の多くはまだ、2000年までの価値観を頭の中に描いているのです。ですから時代は、そして地球は、そのサイクルが終焉を迎えたことを示すために、地球上に多くの混乱をもたらしているのです。わたしたちの身近にあるほんのささいな出来事すら、宇宙の法則の中にあるのです。ですから、ひとたび宇宙法則を理解し生きると、わたしたちが地球上で出会う問題事は自ずと解決されていくのです。

《地球談話》

昨年2015年8月14日、戦後70年を迎えるにあたって安倍首相は「安倍内閣総理大臣談話」を発表しました。その翌日、宇宙から全人類へのメッセージとして以下の「地球談話」が発表されました。

「地球談話~真の平和を地球にもたらすには~」
2015.8.15

出典:http://kurld.com/image.php?pic=/images/wallpapers/earth-images/earth-images-13.jpg
出典:http://kurld.com/image.php?pic=/images/wallpapers/earth-images/earth-images-13.jpg

 

真の平和を地球にもたらすために、今わたしたちにできることは何でしょうか。それは広い世界観を持ち、個々の自我を超越することです。人間が自我の狭い枠に囚われている時、他者との違いによって他者に違和感を持つようになります。それが対立や争いの始まりです。しかし、わたしたちが存在しているこの世界は無限に広大な世界であり、そこは多様ないのちのネットワークで成り立っています。その調和のネットワークは、個を存在させるために全体があり、全体を存在させるために個がある相似形の仕組みによって成り立っているのです。このように自分の存在を捉える時に、自らの内から外を観る視点と、世界の大きさを知って自分の位置まで戻ってくる視点の両方があります。

この世界の真実は、全てが一つということです。ですから、全てのものと自分自身との区別はないのです。このような広い世界観を人々が持つようになれば、自我に囚われ、他者との違いによって違和感を持ち、対立する必要は全くなくなります。そして、平和な世界を創り上げようとしなくても、地球上に平和は自ずと訪れるものなのです。

日本の漢字に「働く」という文字があります。これは「労働」を意味します。しかし、真の意味は「傍(はた・他者)を楽(らく)」にすることです。働くことはある意味生きることですから、生きるとは自分を超えたネットワークの中で役割を果たし、他者のため、世の中のために生きることなのです。ですから、生きることは世界に平和をもたらすことになります。

そこで、なぜ人間社会が平和を保てないのかというと、その理由の一つとして人間は自我を認識し自己主張することが挙げられます。人間以外の生命はこの世界に存在することによって全体のための役割を果たしています。ところが、今の世の中は国なら国益、個人なら自身の利益を優先しているため、国家レベルの大きな戦争から個人レベルの小さな争いに至るまで、平和が保たれない状態になっているのです。

地球は全ての生命を維持し健全につないでいく生命ネットワークで成り立っています。そのために他の星との連動により、宇宙の法則が働いているのです。しかし、今の地球には様々な矛盾が発生しています。それは人間の世界に平和がもたらされないだけでなく、多くの生命は絶滅し、環境は悪化の一途をたどっているのです。それは人間の世界観が狭いことが原因です。今、地球上に起きている様々な問題は、自我が優先された人間の姿勢から生まれているのです。

地球上の生命進化の歴史を観ると、過去6億年の間に6回大量絶滅が起きています。前回の絶滅は約6500万年前に起きており、近い将来生命が絶滅する可能性があると言われています。この歴史的な統計からすると、わたしたちは今絶滅に向かっているとも言えるのです。絶滅はその都度いろいろな理由によって起きています。そうすると、次に来る絶滅は人類の暴走によってもたらされる可能性があるのです。

人類の歴史を振り返ってみると、38億年前に地球上に生命が誕生し、その中のわずか20万年前にわたしたちの先祖であるホモサピエンスが地球上に現れました。これは過去、地球上に存在した生命の中でも非常に能力が高く、順応性があり、特殊なものでした。その優れた能力は今の人間が創っている世界を観ても立証されています。ある意味、わたしたち人間は地球生命の最高傑作なのです。過去から現在に至る地球生命の中で最も高い能力と大きな影響力を持つのが人間です。ところが、その人間の優れた能力は両刃の剣のようなものであり、この能力をエゴ的に使い続けていくと次の絶滅の原因にもなります。しかし、その優れた能力を有効に使えば、定期的に起きていた絶滅の危機を超えて、さらに進化した世界をもたらす可能性もあるのです。

21世紀に入り、わたしたちはいくつもの大いなる転換点を迎えています。太陽は天の川銀河を2億2600万年かけて1周し、その間に約9000回の螺旋を描きます。その1螺旋は25800年です。2012年12月21日、25800年ぶりの銀河の冬至を迎え、宇宙的には闇と争いの時代から光と調和の時代に入りました。しかも、2012年12月21日という日は13000年のマヤの暦が終わった日とも重なっています。それはムー大陸が消滅し、その文明から東の方向に時(トキ)の文明を継承したマヤの人たちが、太古の昔にそのような宇宙の仕組みや太陽の構造を理解していたということです。

そして、同じくムー大陸から西の方向に言魂の文明を継承したカタカムナ人たちは東アジアで繁栄し、高度な宇宙物理学を体系化させました。カタカムナ的視点から地球上の文明の変遷を捉えると、文明の発生・発展・消滅のサイクルを明快に認識することができます。そしてそれは、近代宇宙物理学や天文観測のデータと完璧に一致しているのです。

カタカムナ的宇宙物理学がピークを迎えたのは、太陽の一螺旋の半周である今から12900年前のことです。そして12900年前は銀河の夏至を迎え、宇宙的には光のピークの時期でもありました。そこでピークを迎えたカタカムナ文明はその後衰退していき、6450年前に近代物質文明が台頭し、現在の宗教や経済システムのもとになったのです。ですから、ピークを迎えた現代社会の価値観は6450年前に始まり、今に至っているのです。

さらに、中国の天盤の巡りという時代の捉え方からすると、6450年前に青陽期と呼ばれる王が世界を治める時代が始まりました。そしてその王の時代が終わると、次の3000年間は紅陽期と呼ばれる聖人の時代に入ったのです。それは優れた聖人によって人々が導かれた時代でしたが、逆に同じ人間でありながら、聖人と目覚めない人々との間に差が生じた時代でもありました。それが宗教が世界を支配する現代のシステムにつながっているのです。そうした時代の流れから資本主義や共産主義のようなイデオロギーも現れるようになり、人々はそのような思想に基づくモデルによって既製品化されていくようになったのです。そういった中で人々は個性を失い、人々が求める幸せや価値観は単一化され、多様性を欠いた社会が創られていきました。

そして今、わたしたちは2012年12月21日の銀河の冬至を迎え、太陽はその1螺旋の中で最も光の少ない闇のピークを迎えました。その銀河の冬至から今、3年が経とうとしています。ですから、闇のピークから光が射してくる時代に入ったということです。この闇とは霊的な闇を指すのですが、闇の中で人々は真実を見ることができないため、これまでの時代は人々が正しいと思い行うことが世の中に混乱をもたらしてきた時代でした。そこでは人々が自らの幸せを求めるがための自己主張をし、争ってきたのです。その結果、一部の人々によって享受された豊かさが貧富の差を生み、世界に貧困と対立を蔓延させてきました。しかし、人々には真実の基準がないため、苦しくてもその状態を続けるしか選択肢がなかったのです。

この闇の時代を象徴するかのように、冥王星の1螺旋のピークも2008年に迎えています。2008年、冥王星の248年の1周期を経て、ヨーロッパ産業革命以降250年間続いた西洋物質文明は終焉を迎えました。産業革命以降、人々は西洋的科学・物理・テクノロジーを進化させてきましたが、その一方で世界の人口は爆発的に増加し、地球環境を無視した経済成長を遂げてきた結果、人類は地球上に様々な問題をもたらしてきました。しかし、それはある意味ピークを迎えたのです。「満つれば欠ける世の習い」という言葉があるように、宇宙は必ずピークを迎えたら欠けていく時代を迎えるのです。

西洋物質文明がピークを迎えた今、東洋精神文明が開花していく時代が始まりました。それは物質的豊かさから精神的豊かさの時代へ、そして競争や対立から調和する時代へ移行したということです。現在、太陽の意志を受けて地球のマグマが活動期に入っていることも、人類を調和へと導いてくれているのです。これから人類が環境的に厳しい時代を迎えるということは、わたしたちはもはや個人的エゴを主張していられなくなり、みんなで助け合わないと生きていけない時代に入っていくのです。そこでは人々の物理的欲望は少なくなり、心の豊かな時代が創造されていくことになるでしょう。人々の心が自我を超え調和したそのときに、地球の天変地異は収まるようになっていくのです。ですから、全ての現象はある意味宇宙から人類に対するメッセージなのです。

さらに中国の天盤の巡りからすると、青陽期・紅陽期を経た今、白陽期と呼ばれる民衆の時代を迎えました。それは聖人がリードしてきた時代から、一人ひとりが目覚めていく時代に入ったということです。その世界では一人ひとりがブッダでありキリストです。それが21世紀に訪れる人類の姿です。ですから、わたしたちは広い世界観を持てば、自我が消え、この世界のために生きる尊い存在になれるのです。

宇宙的にはすでに一人ひとりが目覚める段階に入っています。それゆえ、多くの人々は今までの価値観に疑問を感じるようになり、新たな時代に向けての価値観を求め始めています。しかし、それは今までの教育によってもたらされるものではありません。ましてやこれまでの革命のように勝ち取るものではないのです。それは時代が移り変わっていく過程で自動的になることであり、わたしたちはその時代の変化を感じ、それにふさわしい考え方やライフスタイルに切り替え示していくべきなのです。

次の時代は人類一人ひとりの精神革命が国を変え、そして世界を変えます。この革命には強い力はいりません。揺るがない意志を持つ人たちによる革命なのですから、あなた自身が変わることが世界を変えることの始まりです。それは宇宙の意志であり、時代のサイクルを表すことです。したがって、個人レベル・国家レベルそして地球規模で起きる出来事も宇宙の意志であり、時代の流れの中にあり、わたしたちに託されていることなのです。そのように時代を読む捉え方は、わたしたちの個人的エゴからの解放と広い世界観を持つことによって可能となります。人類は肉体という物理的には小さな器の中にいたとしても、最終的には宇宙全てが自分自身であるという意識に到達することもできるのです。それは全てのものと自らの「差を取る」ことです。それを「悟り」と言います。その境地の世界は絶対善なる絶対愛なる絶対調和から成っているので、そこには全てのものと自らの区別はなくなるのです。

21世紀中に人類はその意識レベルに到達することでしょう。それはこれからの1000年間で、物質的豊かさを追求する時代から、わたしたちの内面にある未開発の能力を開花させる時代へ移行していくということです。それを司るのがまだ使われていない人間の脳の90%です。わたしたちの内面に眠る未開発の能力が開花すれば、宇宙の意志・時代の流れを感受する直観が働き、地球にいながらにして宇宙を理解することが可能になるのです。そこでは宇宙を探査するテクノロジーの可能性は大いに広がることでしょう。新たな時代を生きるわたしたちは、近代的テクノロジーと物質的豊かさに加え、高い精神性とともに進化していくことができるのです。

21世紀はわたしたちが地球人として、さらに宇宙人としての意識に目覚め、この世界に貢献していく時代の始まりです。今わたしたちは、次の地球生命の絶滅のきっかけをもたらすものになるのか、それとも新たな時代をもたらす存在となるのかの転換点を迎えています。そして、人類が次の時代が示す精神性を地球上に表現した時に、欲求による努力のエネルギーに頼らなくても、平和は自ずとこの世界にもたらされることでしょう。

《わたしたちは何者であるのか》

「地球談話」を読み解いていくと、問題事はすべて解決されます。しかし、そのためには絶対に必要なことがあります。それはまず、わたしたちが何者であるかを知ることです。地球上には280万種の生命が存在しています。そして、その一つ一つを数えたら無限にあります。その中で、わたしたち人間は、地球上で最も優れた、そして最も影響力のある生命です。

人類は今、宇宙空間に出て生命の痕跡を探しています。そこで得られる生命の存在は、痕跡です。しかし、わたしたちは地球上でいとも簡単に生命に接することができます。つまり、わたしたちは生命の海の中にいるようものなのです。

その中でどれひとつ、無駄な生命はありません。わたしたち人間を含めた生命はすべて、生命ネットワークで連動し、地球という生命を共に形成しているのです。そこでは極めて複雑かつ精妙な関係によって、この生命ネットワークが運営されています。

もし、わたしたちが実際の宇宙の姿を観ることができたとしたら、それがどれほど広大かつ複雑で精妙なのかに気付くことでしょう。それは、わたしたちが地球上で形成している生命ネットワークと同じように複雑なのです。その中に、わたしたち一人ひとりが存在しています。

さらに、わたしたち一人ひとりの中に60兆の細胞が存在しています。その細胞一つ一つには、体全体を形成する情報がすべてインプットされているのです。人類はその構造を解明したがために、クローンという技術にまで到達しました。しかしそれは、単に物理的な貢献を人類にもたらすためではありません。それは、わたしたち一人ひとりがひとつの小宇宙であることを示しているのです。そして、わたしたち一つ一つの小宇宙は、さらに他の小宇宙とネットワークし、地球という宇宙を創っているのです。

皆さん、そのようなことを意識しながら日々を生きていますか?
そのようなことを大切にしながら、毎日を生きている人はいますか?

皆さんが意識する意識しないにかかわらず、わたしたちはそうした仕組みの中に生きているのです。

わたしたちは呼吸します。それは、わたしたちの体と空気の循環です。地球上に大気はひとつしかありません。わたしたちは食べ物を食べます。植物は大地から芽生えてきます。その大地はひとつです。大地は大きな地と書きます。それは大地球のことです。大地に生命が芽生えるということは、太陽の光が大地に当たり熱を与え、生命の種が芽生え育ちます。その過程の中で、植物は光合成という自らの体と空気を循環させる作業をします。これは太陽の力です。ですから、ある意味わたしたちは光だと言えます。それはわたしたちと太陽がひとつだということです。そして、わたしたちは生命として体の中に70%の水分を持っています。わたしたちに水分を与えてくれるのは雨です。雨は川をつくり、田畑を潤し、海に流れます。この仕組みを司っているのは、太陽です。ですから、わたしたちは太陽です。

わたしたちが生きていると、いろいろな出来事に出会います。これを人生の風と言います。人生の風と同じように、わたしたちは地球上で風を受けます。風は生命にとってどのような役割をするのでしょうか。わたしたち生命は、必ず終わりを迎えます。ですから、次の世代につなげていくために、花を咲かせ、実を結びます。実は、情報を次の世代に伝えるためのDNAです。しっかりと充実した実は体に負荷をかけます。そこで、生命は芽が出てすぐのときから風を受けることによって、自分の体を支える以上の体力を身につけていくのです。ですから、風は不要なもののように見えて、とても重要なものです。それが、わたしたちがたくましく育ち、次の世代にいのちをつなぐ種を残していくための元になるのです。地球上に吹く風は、わたしたちの人生に吹く風と同じです。そして、この風は太陽がもたらしています。ですから、わたしたちの人生は太陽と共にあるのです。

そして、この空間――、今、わたしたちは日本の富士山麓にいます。地球は自転し公転しています。公転速度は秒速30kmです。皆さんはその風を感じますか?地球上にそれほど速い乗り物はありませんね。この場所は、地球上的には昨日も今日もここにありました。昨日から一日が経ちました。今日、この場所はここにありますね。それは、わたしたちが同じ乗り物に乗って旅をしているからです。実際にはこの乗り物は一日で約260万km移動します。ですから、宇宙的には常に未知の世界に移動しているのです。

わたしたちが地と呼ぶところはどこにありますか?そして、天はどこにありますか?今、わたしたちは日本にいます。天を上にすると、地は下になります。もうじき、リオデジャネイロでオリンピックがありますね。そうすると、ブラジルの人たちの天はどこにありますか?ブラジルの人たちの地はどこにありますか?日本で言う天がブラジルの人たちの言う地になって、ブラジルの人たちの言う天は日本の人たちが言う地になりませんか?

地というのは、地球の中心の方向のことです。そして天は、点でもあるのです。カタカムナ的に言えば同じ音ですから、同じ意味になるのです。天は宇宙のことであり、それは点の集合体です。今、ここにひとつの点があるとします。この点は秒速30km移動しています。そうすると、地球の直径は約12000kmですから、地球の端から端まで6分40秒で移動します。今こうやってわたしたちが話している間に、この点は地球何個分も移動してしまうのです。

ひとつの太陽のもとに、ひとつの大地のもとに、ひとつの水のもとに、ひとつの空気(空間)のもとに、ひとつの風のもとに、わたしたちは地水火風空という5原則のもとに生きているのです。そして、ひとつの乗り物(地球)に乗り、旅(宇宙旅行)をしています。その中で太陽の光が基軸となり、わたしたち生命は調和し、共存しています。

わたしたちのすべてのもとは、ひとつです。そこに立ち返って、わたしたち一人ひとりを捉えれば、地球上に平和は自ずと訪れます。

先日、イギリスのEU離脱の国民投票が行われ、日本では参議院選挙が行われました。今、人々の多くは、ひとつの枠の中で争い、自らが共鳴するところを正しいとしています。これが自我であり、エゴです。その構造から外れている人はほとんどいません。そして、自らが正しいと思う心が、この世界を創っているのです。

わたしたち人間には、他の生命とは違う能力があります。それは自分というものを特定することができる能力です。そして、自らの尺度から世界を図ることができるのです。それはすばらしい能力ですが、そのときに重要なことは、自らの尺度の位置はひとつであるということです。そして、この世界には無限の尺度があるということです。この世界はその尺度のネットワークなのです。しかし、自らの尺度だけが正しいとしたときに、すべての問題事の発生源になるのです。

今の世の中を見てください。争いという現象の背後にはどちらの側にも正しさがあります。それは正しさと正しさの争いなのです。ある意味、正しさは優れていることを表します。その優れているものたちが創っているのが、今のこの争いの世界なのです。

時代は21世紀に入り、これから3000年に向かってわたしたちはどこへ進んでいけばいいのでしょうか。自らの尺度をもってこの世界を観ることは、わたしたち人間に与えられた能力ですから、誰ひとりこの仕組みから外れることはできません。しかし、自分自身の尺度は、数ある尺度の中のたったひとつなのです。そこで、自らの尺度を超えてこの世界を観ることができるかどうかが今、わたしたち一人ひとりに問われています。

「悟り」とは、「差を取る」ことです。その反対は、「差がある」ということです。差があるということは、自分と他の存在が違うということです。そこで差を取るためには、互いの共通点を見出せばいいのです。それは、わたしたちは皆人間であり、生命であり、ひとつの太陽・大地・水・空気・風のもとに地球というひとつの生命を形成しているということです。

そのときに、自分自身は個性として存在します。自分という存在が大きな器の中のひとつであることに気付いたら、わたしたちは他のすべての存在と共にこの世界を創っていることが観えてきます。

そのときに、地球上に平和は自ずと訪れます。平和は創るものではありません。求めようとするものでもありません。わたしたちは何者であるのか。そしてわたしたちは何を観ているのか。その実体がわかれば、この世界の問題事はすべて解決されます。そのときに、この世界はたちどころに平和な世界です。それは、わたしたちが生命であることを思い出せばよいのです。

わたしたちは生命であり、地球人であり、宇宙の中に存在します。そして、永遠と紡がれてきたいのちのネットワークの中で今、ここにたどり着いているのです。わたしたちにはすでにすべての情報が内在しているのですから、わたしたちの中にある物理的・霊的なDNAを呼び覚ませば、わたしたちが何者であるかをたちどころに思い出すことができるのです。新しい知識は自分の中に取り入れるときに拒絶反応が起きることもあります。しかしこれは、皆さんの中にある眠っていたもの、もしくは忘れていたものを思い出すだけです。ですから、これを「目覚める」というのです。これに拒絶反応はまったく発生しません。それは、本当の自分(真我)に還るということです。

《21世紀を生きる人類の目覚め》

第10回大人サミット1日目の夜には、ウエルカムコンサートが開かれ、その後先日自然療法プログラムを卒業したTさんの目覚めの物語がシェアされました。Tさん曰く、「わたしは20世紀型のエリート思考の代表として、いさどんが語る宇宙観を皆さんが理解するために役に立つ事例であることを嬉しく思います。」

IMG_8211

「21世紀を生きる人類の目覚め① Tさんからの手紙」

香港で生まれ、台湾で暮らしていた37歳のTさんが難治性うつ病を克服するため、初めて木の花ファミリーを訪れたのは2016年6月7日のことでした。そして、自然療法プログラムを4週間受けた後、見事卒業に至ったTさんの卒業コンサートが7月5日に開かれました。その中で、Tさんは木の花ファミリーメンバーに次のようなお礼の手紙を読み上げました。

――

親愛なる皆様へ

ここを出発するための荷造りをする日がやって来たなんて、信じられません。皆さんがわたしを受け入れてくださったことに対し、いつもお礼を言いたいと思っていました。今、わたしの木の花ファミリーでの時間が、どれほどわたしにとって大切であるのかを皆さんに伝える良い機会のようです。

3年前、わたしに奇妙な霊的目覚めを促す出来事が起こりました。医者はわたしの状況を説明することができず、もっとも深刻なうつ病であるとわたしに伝え、入院を勧めるだけでした。わたしは処方された薬をとらず、その代わりに霊的な旅を始めたのです。

わたしは台湾、ハワイ、インドで霊性について学びました。霊的には、わたしは多くの古い痛みや信念を解放してきたと感じていました。日常においてわたしはもはや理由なく泣いたり動揺することはなくなりました。

しかし、わたしの健康は低下し続けました。わたしは3年間睡眠障害で苦しんできました。通常、わたしは朝の6時に完全に疲れ切るまで眠りにつくことができませんでした。わたしのエネルギーはすべて、自分の体内で何かをするために奪われているかのように感じ、わたしの人生を進めていくためのエネルギーはほとんど残っていなかったのです。わたしは3ヶ月毎に新たな種類の痛みと病を持つようになりました。

わたしは木の花行きのチケットを予約した後、詳細な診断書を受け取りました。そこには、わたしの交感神経は極端に活発であり、だからわたしは眠ることができないと書いてありました。わたしの体全体は3年間極端な防御システムを身につけ、わたしの健康は機能停止に直面していました。わたしは多くの食べ物に対してアレルギーとなり、肝臓は毒素を上手に消化できなくなっていました。上記を考慮すると、わたしはガンになる可能性が高いです。今、わたしのしこりは良性ですが、わたしの身体的状況からすると、1年以内に悪性にまで進む可能性があるのです。

わたしはこの診断書に少しショックを受けました。しかし、わたしはすでに木の花へのチケットを予約していたので、比較的穏やかでいられました。なぜだか、木の花へ行けばすべては大丈夫だという直感がわたしにはあったのです。

わたしがここに来る前、木の花ファミリーはエコビレッジであるということだけは知っていました。木の花が精神性を大切にするコミュニティであるとは知りませんでした。ここに到着した直後、わたしは天の招集によってここに来たのだと気付きました。なぜなら、わたしは多くの神の共時性(シンクロニシティ)に出会ったからです。

ここで生活していると、スピリチュアルコミュニティとしての木の花の最大の特徴は、生活の細部にまで精神的な理論と信念が実践されていることだと感じています。それは地球上では奇跡的でたいへん珍しいことなのです。

わたしが家族として木の花ファミリーを見ていた当初、ここをとても気に入っていましたが、わたしは個人的自由にとても慣れていたので、集団生活の理念すべてに慣れることはできないと感じていました。しかし、時と共に、皆さんが地球上での自らの使命とエゴを取り除くという修行の取り組みに献身していることにわたしは気付くようになりました。そして、木の花ファミリーはおそらく地球上で最大の喜びと共にある修行者の家族なのだとわたしは認識しました。

わたしはいさどんの導きを受け取れて幸運でした。英語を話すメンバー・ようこ、みちよ、ともこによって、わたしは多くの助けを得て、わたしの疑いは消えてなくなりました。ようこは、エゴのない人生をわたしに実際に示してくれました。彼女はわたしのサポーターであり、わたしたちは同部屋だったので、彼女が毎日どのように自分が語っていることを行動しているのかをわたしは観てきました。彼女は疑いやネガティブのもとに時間を過ごすことはありません。彼女は自分に与えられたすべての仕事に全力を注ぎます。わたしはこれまで彼女のような高いエネルギーと共に献身する人に出会ったことがありません。

また、わたしに大きなインパクトを与えたふたりのメンバーにとても感謝しています。

やすえどんは甘さと純真さにあふれる永遠の少女のようです。彼女は神に対する大いなる信頼と共にある人生をわたしに示してくれました。それゆえ、彼女は心配から解放されているのです。彼女は常にわたしに思いやりを与えるために努力しています。

やじおさんはわたしともっとも似ている性質を持っているとわたしが感じる人です。彼は集団生活をもっとも楽しまない人のように見えます。彼はおそらく、わたしよりもずっと大きなチャレンジを克服しなければならなかったのでしょう。しかし、彼はそれをやり遂げたのです。彼の物語と献身はわたしに多くの勇気を与えてくれました。

いさどんとの日記のやりとりを通して、わたしが知っているすべての霊的な知識を実践するようわたしは挑まれたように感じました。わたしは過去3年間で進歩してきましたが、わたしが進んで手放してこなかった主要な視点に未だに自分がしがみついていることに気付かされました。子ども時代の経験により、わたしは世界を危険な場所だと観ているのです。

ある出来事が起きると、わたしの古い傷や痛みすべてが強いネガティブな感情を形成するために現れてきます。それからわたしは自己防衛するために、大いなる一連の論理を形成するよう自らの心を使い、走り去るか、他者を攻撃してきました。

その後、わたしの体がまさにそれを反映していることは、わたしにとって非常に明快となりました。わたしの体はそのエネルギーすべてを防衛のために捧げてきたのです。3年間、わたしが完全に疲れ切るまで眠ることができなかったことは、わたしの体が非常事態であり続けたのです。それは無害な物質を攻撃し、わたしの体中に戦場を創り出しました。だから、わたしにはこれほど多くの病、炎症、痛みが体中にあり、わたしは普通の生活を送ることができなかったのです。

わたしはここでの1ヶ月の間、ほとんどの夜、眠りにつくことができたことを報告することを嬉しく思います。時々、午後に眠ることさえありました。わたしは、3年間戦争で戦ってきた戦士が失われていた睡眠すべてをとうとう手にしたかのように、自分のことを感じました。

わたしは、健全な細胞の集団によって囲まれた病気で弱い細胞のように自分のことを感じています。毎日わたしは食事をし、わたしの人生のあらゆる側面がメンバー全員の毎日の重労働によって直接支えられているのです。わたしがお皿洗いをしたり、じゃがいもの皮をむいたり、玉ねぎを選別したり、除草作業をすることはこの上なく幸せであり、光栄に感じています。なぜなら、それは称賛に値する作業であり、わたしをファミリーの一員にさせるからです。

木の花ファミリーは富士山の元にある信号司令塔のようです。皆さんはそのことに気付いていないかもしれませんが、皆さんは世界に愛と進化した意識の波及効果を広げているのです。

わたしからの心からの感謝を受け取ってください。いさどん、このファミリーを確立してくださりありがとうございます。皆さん、この時代に勇気ある魂でいてくださり、ありがとうございます。

hasu2

「21世紀を生きる人類の目覚め② Tさんの目覚めの物語」

Tさんの卒業コンサートで、Tさんからファミリーメンバーに向けて手紙が読まれた後、サポーターのようこから、Tさんの4週間のケア滞在を振り返った「Tさんのケア物語」がシェアされました。

――

宇宙のサイクルからすると、2012年12月21日銀河の冬至を迎え、それから半年が経った2013年6月、Tさんの人生を大きく方向転換する出来事が起こりました。「突然、目には見えない防護の盾がわたしからなくなり、内なる痛みがあふれ出し、自殺したいと思うようになりました。同時に、賢い知恵を与えてくれる聖なる存在と、わたしを攻撃しようとするモンスターのような存在の両方が現れるようになったのです。」それまで弁護士として、また社会企業家として活躍していた彼女にとっては、その出来事が霊的な目覚めの契機になったのですが、台湾の精神科では「最も深刻なうつ病」と診断され、それ以降3年間、睡眠障害やエネルギーが低く生きる気力が出ないという症状に苦しんできました。また、交感神経障害・ホルモン障害・肝臓の機能不全・アレルギー・高いガンのリスク等、多くの物理的な症状を抱えていたTさんは、インターネットで木の花ファミリーの存在を知り、6月7日初めてファミリーを訪れたのでした。最初の面談の際、いさどんからは「精神的なエネルギーの矛盾が今のあなたの状態をつくっているのですが、実は、あなたの症状は時代が要請しているように捉えられます」と伝えられました。続けていさどんから冥王星の248年の周期が2008年に終焉を迎えたことを聞いた彼女は、「だからわたしは2008年に弁護士の仕事を辞めたのですね!」と興奮しながら話していました。さらに、カルマ読み・カタカムナ・地球暦に基づく分析をいさどんから伝えられたTさんは、「今日はわたしにとって人生を変えるような一日でした!わたしの優秀さが20世紀型であると伝えられたことは目から鱗の気付きです!」と感銘を受け、ケア滞在をスタートすることになったのです。

ここに来るまでは明け方まで眠ることができなかったTさんが、ここに滞在するようになってから夜に眠り朝には起きるというリズムが自然と身についていき、それは彼女にとって嬉しい驚きでした。また、最初の1週間ですでに体の中がどんどん浄化され綺麗になっていくのを感じた彼女は、「ここの食事の効果が現れていますし、身体的には皆によって栄養を与えられているように感じています。でも、精神的にはまだ、とても緊張していて不安定です」と話していました。

それから1週間が経ち、1週間面談の冒頭でいさどんは次のように彼女に伝えました。「通常このケアプログラムを受けている人の面談は、病的な状態を克服するための内容に専念します。しかしあなたの場合、将来のあなたがどのように社会に貢献していくのかを考えると、今のあなたの物理的な症状は大きな問題ではありません。ある意味、ターニングポイントを迎えることは別世界に入ることなのですから、そこを越えたら以前のことを考える必要は本来ないのです。これは初めてのケアのケースですが、あなたの魂が目覚めれば、物理的症状はすべて自動的に克服できるでしょう。そして自分の健康に自信がついたとき、あなたは新しい意識で生き始めるのです。」そして、残りの面談の時間は、神様やこの世界の仕組み、人間のエゴについてのTさんからの質問にいさどんが答える時間となり、あっという間に2時間が過ぎていきました。そして、面談の最後に彼女の地球暦を観たいさどんからは、「改めて今、あなたの地球暦を観てみると、想いがあってもなかなか行動に移せない傾向や、女性的エネルギーを育む必要性が現れています。そこについては、次の1週間も引き続き日記を書くことによって、自らの性質を知り、改善を図っていきましょう。的確なる振り返りのもとに的確なる変化があります」と伝えられ、中身の濃い面談が終了しました。

2週目になると、Tさんの過去のトラウマから来る精神的傾向が顕著に現れてくるようになり、「ここの環境は素晴らしいがみんなが優しくしてくれると、自分にはそれを受ける価値がないと思い、死にたい気持ちになる。木の花に来てから今日までは比較的自分の中では安定していたが、ここに来るまでは毎日泣いていて、今日の午前中も泣いた。自分の枠が壊れるのが怖い」という感情が出てくるようになりました。そのような中、6月17日に開かれたお誕生日会では、「自分が人前で完璧でいなければいけないという枠を壊すために出演を決めました」と話してくれ、自らの枠を超えようと努力する彼女の姿勢も伺えました。また、彼女の優秀さや競争心から、「わたしの日記に対するいさどんからのコメントに怒りを感じてしまう。皆はいさどんの大きな愛を感じているのに、わたしにはフィルターがかかっているため、その愛を感じられない」という感情も現れてきましたが、「でも、いさどんがいつもコメントでわたしに伝えているのは、自らの枠を超えて物事を観ること、というところまではわかり始めてきた」という気付きも得るようになりました。

そして2週間面談の際、いさどんからは、「この2週間が経って、あなたは自らの傾向がだいぶわかってきましたね。ただ、感情移入して物事を観る癖があなたにはついていて、それがまだ取りきれていません。最初の面談のとき、あなたのガン体質についてもこのプログラムが順調に進んでいけば、自然に解決されるでしょうと伝えましたね。ガン体質を引き起こす要因のひとつとして、感情的になることがガン体質をつくるのです。そういったことも含めて、今日の時間を僕は楽しみにしていました。ようやくこの話を伝える段階が来たと思ったからです」と伝えられました。その後、前回の面談同様、Tさんが人間の自我や自由意志等についていさどんに質問していく中で、いさどんからは次元の高い話が引き出され、最後にいさどんからは次のように伝えられました。「いつものことながら、あなたは僕がしたい話を引き出しています。ですから、あなたがこれからの時代にその意識を活かせば、社会や他者のために大きな役割を果たしていくのです。ところが、そのような人が今、ここでケアを受けているのです。本当は、自分のことばかりに興味を持っている場合ではないのですよ。2016年6月21日という夏至の今日、あなたにこのことを伝えるのはとても意味があると思っています。今日は、人類にとってとても重要な日なのです。あなたはこの2週間の間、ここで自分を知るという経験を経て、今日を区切りとして新たなバージョンの自分としてこれから臨んでもらいたいと思います。ですから、本当の役割に目覚めるために、次の1週間も引き続き自分と向き合うために日記を書いてください。」このようにして、またしても中身の充実した1時間半の面談が終了したのでした。

ところがその後、なかなか日記をいさどんに提出できなかったTさんには、「いろいろと想うところはあるが、ネガティブなことを書くといさどんから『あなたはエゴに囚われている』というようなコメントが返ってくると予想できる。なるべく大事な話をいさどんから引き出そうと思うと、何を書いたらいいのかわからない。」「なぜいさどんが100%正しくて、自分が常に間違っているのかが理解できない」という感情が働き、自らと向き合う作業がなかなか進まないまま、3週間面談の日がやってきました。

3週間面談は、これまでの面談と違い、たった20分で終了しました。いさどんからは、「この3週間を振り返ってみると、あなたはとてもユニークなケア滞在者です。僕にとっては良い経験になりました。ただ、最終的には僕があなたをサポートする意図はあなたに通じているとは思いますが、本当はもっと簡潔にそれが伝わるべきことなのです。それは、あなたの高い能力や癖によって余分な時間をかけているということでもあります。このケアの取り組みの最初の頃、あなたは過去に囚われていて、今は現状に囚われていて、なかなか未来志向に行かないのです。ですから今、3週間面談にあたって、できれば4週目はそういった思考回路を元に日々を過ごしたら、次回の面談で卒業になるでしょう」と伝えられました。次にいさどんはTさんにこの3週間を振り返ってみてどうだったか尋ねると、自分は西洋的思考を持つ中国人であり、香港や中国の歴史上、独裁者を恐れているという話を彼女が伝えたとき、いさどんは彼女の話をさえぎり、次のように伝えました。

「僕はこの世界はとても独裁的な世界だと思うのです。それは、人間社会のことではなく、この世界は宇宙の法という絶対なるものによって成り立っているということです。わたしたちはあくまでもそこから創り出されていて、すべてのことがその法によって動かされているのです。そこがあなたに伝わらないと、時間が余分にかかってしまうので今伝えています。ですからあなたが言うように、中国・香港の歴史やあなたの西洋的精神、それからあなた個人の家族との関係は、小さく区切ってそこを意識して観るから、そういったことが起きているだけのことなのです。そこに意識が集中する原因を取り除けば、そういったことは起きなくなるものなのです。あなたがこの世界を限定しないで観るようになれば、あなたがここへ来てケアを受けることになったいろいろな症状から解放され、あなたがこの世界に対して最も貢献できる人生を生きられるのだろうと僕は観ています。ですから、4週目はあなたの個人的な事柄や区切った視点を抜きにして、本来あなたが優秀な人であるからこそ、その優秀さをあなたの人生にポジティブに表す方向へ思考を持っていってもらいたいと思います。」

そして、Tさんがようやく自らと真摯に向き合えるようになり、客観的視点と共に自らの感情や思考を振り返ることができるようになったのは、4週間面談の直前のことでした。今回の滞在を4週間と事前に決めていたTさんにとって最終面談となる4週間面談の際、いさどんからは次のように伝えられました。「このケア滞在の途中では、卒業は難しいのではと思うときもありました。その難しい理由として、あなたが多くの過去のトラウマを持っていること、そしてあなたが社会的に優秀であることが二重にあなたを改善に向かわせるための障害となっていました。しかし、この取り組みの過程であなたと接していて僕が気付いたことは、あなたはとても正直にネガティブさを表現していたということです。どのような場合でも正直であることが改善の大前提になります。その延長にあなたが優秀であることが功を奏し、一度は否定的になっても、すぐにその奥にある意志を受け取ることができるようになりました。それは新たな知識を取り入れるというような単なる学習ではありません。それは、元々あなたの中に僕から伝えられ引き出されることの重要性があるということです。ですから、どれほど強く過去の囚われに影響されていたとしても、あなたはそれを理論的に自らの中から思い出すようにして超えることができた、と今僕は振り返っています。そして当初の目的のように、僕はあくまでもサポートしただけであり、あなた自身が自らの中にある真実に気付き、さらに今までいろいろなところで学んできたことを活かした結果、今のあなたの状態につなげたと思うのです。そこで明日、あなたの卒業コンサートを開き、あなたの卒業を祝いたいと思います。」

このようにして、見事4週間にして卒業に至ったTさん。一般的な医療機関からすれば、彼女は本当に難しいケースだったのですが、だからこそ、これから自らの事例を世の中のために発信していこうとする彼女は今、本当の自分をこれから表現していくという希望にあふれています。「ケア滞在の最初の一週間は、わたしは古い状態のままであり、『わたしがしたいことはすべて、わたしにはできない!』と感じていました。しかし今、わたしはより大きな自己とつながっていると感じることができ、それがわたしの希望の光です。」

光の時代の幕開けと共に、Tさんの新たな人生も今、スタートしたばかりです。

IMG_8205

「21世紀を生きる人類の目覚め③ いさどんからのメッセージ」

自然療法プログラムの卒業をお祝いするコンサートでは、プログラムの責任者であるいさどんから、新たな人生の旅立ちにあたり卒業生に向けてメッセージが贈られます。今回のいさどんからのメッセージは、卒業生のTさんだけではなく、広く人類に向けて、そして宇宙全体に発信されました。

――

Tさんが自然療法プログラムを受けるためにここを訪れたときには、彼女は自分の人生を思い通りにコントロールしたいという願望を持っていました。最初の面談の際、「僕からすると、それは時代の現れです」と彼女に伝えたことを覚えています。しかし多くの人たちは、まだそのことに気付いていません。木の花ファミリーがこのような生き方をしているのも、わたしたちがこの生き方をしたいという理由からではありません。それは時代が移り変わっていくときに、新たな生き方のモデルとして示す役割を与えられ、それを果たしているということなのです。そして、それは個人的望みを叶えるという視点では理解できないことです。

7月1日にバングラデシュでテロがありました。その後もイラク・サウジアラビア・インドネシアと今日5日までの間に世界各地で何回もテロが起きています。その多くについて、日本ではイスラム教徒もしくはイスラムの影響を受けたテロリストたちの仕業だと言われています。しかし、それは真実なのでしょうか。

あるひとつの視点を取り上げてみます。日本のマスコミでは、あのテロで犠牲になった人たちは、発展途上国に一生懸命貢献してきた社会的に優れた人たちだと報道しています。僕はそのことに対して批判しようとしているのではなく、もうひとつ別の視点を持っています。日本のNGOが新興国の人たちに支援する多くは、ビジネスが目的です。今回もジャイカの支援のもとに、企業に携わる人たちがプロジェクトを組み、ダッカの交通網を整理することが目的でした。きっと、バングラデシュの人たちも含めてこういった人たちは、日本のように交通が整備された豊かな国になることを望んでいたのでしょう。その多くはお金の豊かさであり、物理的豊かさです。

同じように、僕はこの数日間日本のテレビ番組を観ていました。日本では、ここ10数年もの間、毎年30000人ほどの人が自殺しています。そして、年老いた人たちの介護の問題が大きく取り上げられています。世の中にはこれほどたくさんの人がいるにもかかわらず、孤独で死んでいく人たちが数多くいるのです。しかし、さらに驚くべきことは、ここへ来て年間たくさんの人たちが介護殺人をしているということです。つまり、自分の家族を介護しながら、その家族を殺してしまうという現象が起きるようになったのです。日本は経済的な先進国ではありますが、ある意味、物やお金が優先し過ぎた先進国でもあり、同時に貧困率がとても高い現実もあります。そして、不健康寿命と呼ばれる病気になってから死ぬまでの間の寿命についても、日本は先進国の中でもっとも長い国なのです。

僕はこの木の花ファミリーの生活自体が、そういった現代の様々な問題を解決できる方法だと捉えています。そして、介護殺人の番組を観ていたときに、木の花のシニアメンバーたちはそのような場面に出会わなくてもすむと思ったのです。まず、木の花のお年寄りたちはその人にふさわしい役割が与えられ、その人らしく生き生きと生活しています。そのときに僕はここの生活の重要性を確信したのです。表面的には見えにくいかもしれませんが、この生活にこそ、その隅々にまで新たな時代を迎えるための解決策がちりばめられていると再確認したのです。

Tさんが木の花ファミリーを訪れ、最初に面談を受けたとき、「あなたの症状は時代を表しています」と僕は伝えました。わたしたちが人生で出会ういろいろな出来事はすべて、時代を表現しています。そして、良いことも悪いこともすべて、時代を創っていくのです。その中で、良いと思われることについてはそのまま行けばよいでしょう。しかし、不愉快に感じる悪い出来事については、特にそのことの意味をよく理解し、人生に活かしていかなければ、ネガティブな時代がどんどん創られていくことになります。しかし、そのネガティブの反対側に光があると気付いたならば、人はいつでもその光に戻ってこられるのです。

僕はTさんの病的症状に付き合いながら、彼女の中に光を観ました。彼女の優秀さは今までは20世紀型であり、西洋的な優秀さの活かし方だったと思うのですが、そういったものは彼女の肉体や精神に多くの矛盾やストレスを与えました。それでは、新たな社会のモデルにはなれません。ですから、彼女にはそれを克服してもらい、彼女と同じような状況にあるもっとたくさんの人たちの光になってもらいたかったのです。本来、すべての人は尊く、優秀なのですから、誰しもがそれを新たな時代に活かしてもらいたいと僕は常に思っています。

時代はもはや、優れた一部の人たちが皆をリードする時代ではないのです。僕はそのことに気付いたので、木の花ファミリーをこれまで維持してきました。そして、それに共鳴した人たちが、今ここで共に歩んでいるのです。この21世紀に示される人類の価値は、まだまだ世の中には十分に知られていません。ですから、Tさんにはこれを機会に、共にこの価値を地球上に広げる人になってもらいたいと思います。僕は今、物理的にはここにいる100名ほどの人たちに語っていますが、霊的には地球上、もしくは宇宙全体を意識して語っています。それは、ようやくこの価値が広がる時代が訪れたからです。

ですから、木の花ファミリーの取り組みは誰のためでもありません。宇宙がそれを要請する時代が訪れたのであり、そしてわたしたちがそれを当然のように表現するべきトキが訪れたのです。いつの時代でも、時代が大きく転換するときには新たなメッセンジャーが現れるものです。それは破壊のためのメッセンジャーであったり、新たな秩序を示すためのメッセンジャーであったり様々ですが、そういったことがいろいろな現象を通して今の時代に観て取ることができます。

Tさんの難治性うつは、新たな時代を切り開くために現れました。しかし、そのことの奥深さが観えず、その症状を単なる病気としてしか捉えていなければ、世の中にひとり、うつ病の患者がいるだけになります。

そして今、人間社会全体がうつ病を発症しているように観えます。うつ病の原因は日本にもアメリカにもヨーロッパにも中東にも至るところに存在し、今、世界中がうつ病で病んでいるような状態なのです。物理的にも環境破壊という症状を抱えていますし、そしてわたしたちの肉体のように、地球という体の生命力がそのことに対する矛盾として、うつ病という症状を噴き出させているのです。実は、太陽系の自律神経は太陽が担っています。ところが今、太陽の黒点が異様な活動をしているがために、地球のマグマの活動がおかしくなっているのです。

このように、時代は天体と共にあります。そして、天体や時代と共にわたしたち人類が生きていく時代が、この2000年から始まる1000年紀に表現されるのです。

21世紀は人類が真実に目覚める時代です。今まで人類は自らの欲望を叶えることが豊かさであり、その延長に幸せがあると思い生きてきました。その価値観のもとに、政治・経済・宗教・教育・医療など、そういった社会的構成要素すべてが発展してきたのです。だから今21世紀に入り、今までのどのような手法を使ったとしても、人類は解決策が見出せない状況に直面しているのです。

その突破口は――、宇宙の構造がどのようになっているのか、そして宇宙と自分自身との関係がどのようになっているのかに人類が気付くことにあるのです。実は、人間には宇宙の構造や宇宙としての自分自身のあり方がすべて、情報として自らの内に眠っています。しかし、自我にまみれていては、そこから目覚めることはできません。それは、個人が自我の「独裁者」に囚われている状態です。

そこで、わたしたちが自らのエゴという小さな「独裁者」に囚われ、他者と調和することなくこの世界に矛盾をもたらしながら生きていくのか。もしくは、そのような愚かしさを学び、自らを自我の中に閉じ込めている枠を取り払い、宇宙の法という大いなる「独裁者」のもとに自らを解き放していくのか。

その真実に目覚めることが、21世紀に生きる人類一人ひとりに課せられたハードルです。自らの囚われから自らを解放すれば、わたしたちは宇宙そのものです。20世紀までの物理的一辺倒の二元的発想の時代から、いよいよ三次元的思考にわたしたちが移行したとき、これまで永らく眠っていた脳の90%が活かされていくのです。それは、今までのような損得や善悪の二元的発想からでは、解釈できない世界です。わたしたちが三次元的脳を使うようになると、きわめて奇抜なアイデアが生まれてくるようになります。地球上にいながらにして、宇宙の実体が瞬時に理解できるようになるのです。そして、物事の流れが格段に良くなり、真理が湧き出してきます。それが21世紀を生きる人類が創る社会です。

真実とは、知識をもって得るものではない。真実とは、本来観えるべきものが観えた者に湧き出し、その生き様に現されるものである。そして、その受け皿として、すべての人間に可能性がある。人類の目覚めと共に、地球は今、宇宙に新たな一歩を踏み出すときが来ている。